五章 それは爆裂する

74/77
前へ
/342ページ
次へ
 しかし、手応えがない…… 「……なに?」  確かに目の前で女を斬っている。  それが見えている……なのに、切っ先が通過した? 「こっちだよ」  横から声が聞こえた。  振り返るよりも速く、腕に重い重い衝撃があった。 「ぬぐっ!?」  反射的に振り返れば……紅く輝く左目をした女がいた。  左目?  いや、確かこいつは左目部分に眼帯をしていたはず……  爛々と紅い光を左目部分から発せられている。  いや、彼女から発せられる魔力の中心は、まさにそこだった。 「はぁ……はぁ……ぶはっ……」  肩が上下してる。  そしてなによりも、鮮血が口からこぼれ落ちている。
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加