六章 破壊される刻

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 皆が駆けつけたのは直ぐ後だった。  チェリス、ソルート、エイジ、その中になぜか不機嫌そうなサロメの姿もあった。  カムジャを倒したアイシャは、四肢から煙りを出しながらその場に崩れ落ちていた。  応急措置を施そうと抱き起こすが体が過熱していた。  それは比喩でもなんでもなく、実際にすさまじい熱を持っていたのだ。  呼吸は荒く、そして見たまま深刻な状況というのはよくわかった。  彼女はそのままブルーの所まで運ばれていった。  俺は結局、何もすることが出来ずにただ、その場にいただけだった。  ブルーの乱雑とした部屋に三人が無言でいた。  奥の作業場では彼がおそらくアイシャを治療していることだろう。
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