六章 破壊される刻

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 ソルートは来たのが初めてだったらしく、慣れない乱雑とした部屋の中で落ち尽きなく壁に背を預けていた。  サロメは慣れた様子で、作業場のドアの近くに座りじっと天井を見ていた。  エイジはギルドへ、チェリスは治癒が得意なルシオ・シオンをさがしに出て行った。  移動中、ソルートから聞いたがサロメがこの場所のことを教えてくれたらしい。  なんだかんだ言っても、悪人ではないらしい。  しばらくして、慌ただしく入り口が蹴り開けられると、チェリスがルシオを連れてきていた。  そして、そのまま奥へと彼女を投げ込むように押し入れていった。  まるで嵐だった。  全てのことが一瞬で過ぎ去り、残るのは惨状のみ。
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