六章 破壊される刻

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 一体何をどうすれば良かったのか、全く分からない。  そこにいた皆が何も語らずに重いだけの空気が漂う。  "外へ出ろ……"  あの声だ……  しばらく聞こえないと思っていたが、忘れた頃に出てくる。  確かに此所にいても、何もすることがないのならば、訳が分からないことでも付き合うのもありかもしれない。  ほんの小さくため息をつき、ゆっくりと立ち上がる。 「タタラ? どうしたんだい」  ソルートの良く通る声が部屋中に響き渡った。  そのため他の二人からも視線を集めることとなった。 「なんでもない。ただ、落ち着かないから外の空気を吸ってくる」
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