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街に到着すると、まず驚いたのが門だった。
骨だったのだ……
なにを言っているのか分からないだろう。
噂には聞いていたが、目にするとその迫力に呑まれてしまう。
"大口門"
"奈落の門"
"地獄の釜"
そんな渾名を耳にしていた。
確かに、どれも当てはまりそうなディティールだった。
体長はどれほどあったのだろうか。
その部分だけで、優に十メートルの高さはあるだろう巨大なドラゴンの頭部……
その頭部骨格が大きな口を開けて鎮座している。
ちなみに入り口はその口の奥だった。
誰が考えたのか知らないが、所見の者に対して恐怖心を煽ってくる。
ただし、骨自体はだいぶ古そうだ。
今は知らないが、昔はこのような化け物が地上を闊歩していたのだろう。
さすがに最近も、こんなのがいるのならば噂くらいは流れているだろうし、なによりもこんな街は破壊されているだろう。
「へぇ、見ない顔だな……」
門番に、通行証明の手形を見せると、ニヤニヤと顔をのぞき込むように見てこられた。
「ここは退屈せずに済むかい?」
そう聞くと、門番は意外そうな顔をしていた。
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