第39章 セレブよりもハンバーグ

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「あの、今度、高校の同窓会あるの知ってる?」 「ううん、知らなかった」 「やっぱり、なんとなくそうかなって。銀座なんだけど、もしよければ行かない? これメモ書いておいたから」 手渡されたメモには会場になっているレストランと彼女の連絡先が書かれている。 「ありがとう、でも多分行けないと思うよ」 「そっか……皆、柿花君が来たら喜ぶから」 「ごめんね」 指定された日時は普通に平日で、まだ学生の皆なら時間の都合もつくんだろうけど、仕事のある俺にはどう考えても行けそうにない。 そして元々行く気はない。 「それじゃあ、俺達」 「ごめんなさい、引き止めてしまって」 一言も話さない照義に対して彼女が少し申し訳なさそうに目を伏せた。 ただ照義はヤキモチを妬いているだけなんだけど、警戒されているって誤解をしているに違いない。 ある意味では誤解なのかもしれないけど、照義の心配しているようなものとは全然違う。 急いで彼女に手を振りながら もう開店したたくさんの店の並んだほうへと向かった。 ここへ来た時は開いていなかった店がそれぞれ開店しているだけでも、急にその空間が華やいでいる。 「ほら、照義行くよ」 まだ少し怒っているような表情の照義が無性に可愛かった。 ここがショッピングモールじゃなかったら、抱き付いてキスを強請っているところだけど、それが出来ないのがもどかしい。 とくに今欲しいものがあるわけじゃないけど、ブラブラと他の人達に混ざって並んだ店を眺めている。 手を繋ぎたいけどやっぱり人前では難しいから わざと悪戯をしてじゃれて照義のシャツを引っ張る事で、手を繋ぐ代わりに我慢した。
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