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あれが、初めてマキを名前で呼んだ時。
彼は自分は女のことを呼び捨てにしないだけで、自分は誰からどう呼ばれようとも気にしてないようだった。
その証拠に、クラスでマキのことを苗字で呼ぶ人間はもうほとんどいない。
「...ちゃん。理彩ちゃん?」
「あ、ごめん、ちょっと考え事してた」
「さっきから呼んでたのに。櫻井が」
そう言って、いつの間にか私達の席の前に来ていた委員長を指差す。
「あ、美希ごめん!なんだった?」
「うん、明日の委員会のことなんだけどね...」
そう言って用件を話し出す委員長。
ちらりと横目でマキを見るとスマホのアプリのゲームを起動していた。
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