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-高校3年 4月
「理彩(りさ)!こっち!」
綺麗に巻いた長い黒髪を、サイドでひとつにまとめた綾(あや)が数十メートル離れたところから私に手を振っていた。
クラス変えの表に集まる人混みをかき分けながら、なんとかして綾の元へたどり着く。
「名前、あった?」
「あったよ!理彩は4組、あたしは3組!隣だね!」
「あちゃー!違うクラスだったかー、最後だったのにねぇ」
綾と私、新美(にいみ)理彩は中学からの親友で、クラスもずっと一緒だった。
卒業後の進路がバラバラなのは元々わかってたので、最後のクラスは一緒になりたいねと話していたのに、叶わなかったなんて、神様も意地が悪いと思う。
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