後輩の彼氏

2/11

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
-高校3年 4月 「理彩(りさ)!こっち!」 綺麗に巻いた長い黒髪を、サイドでひとつにまとめた綾(あや)が数十メートル離れたところから私に手を振っていた。 クラス変えの表に集まる人混みをかき分けながら、なんとかして綾の元へたどり着く。 「名前、あった?」 「あったよ!理彩は4組、あたしは3組!隣だね!」 「あちゃー!違うクラスだったかー、最後だったのにねぇ」 綾と私、新美(にいみ)理彩は中学からの親友で、クラスもずっと一緒だった。 卒業後の進路がバラバラなのは元々わかってたので、最後のクラスは一緒になりたいねと話していたのに、叶わなかったなんて、神様も意地が悪いと思う。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加