したことねぇよ

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「ねぇ、あのさ...」 ーキーンコーンカーンコーン... 話し出した私を遮るように、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。 「やば、2年の教室遠いのに...またね、りぃちゃん!マキくんも」 「業後にね!迎えいく!」 心乃と反対方向の3年の教室に足を向けながら、私は心乃の背中に声をかけた。 「なんか約束してんの?」 「うん、新しくできた和カフェに行きたいって前から心乃が言ってたから。きょう部活休みになったしさ」 「あー、そういうの好きだよな、あいつ」 心乃のことを話してるとき、考えるとき。 マキはいつもこういう顔をする。 どうしたらそんな優しい表情できるの?って顔。 とても高校生の男の子には見えないときがマキにはある。
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