したことねぇよ

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「ねぇマキ」 「ん?」 走りながら私はマキに尋ねる。 「あんた、心乃とどこまで進んでるの?」 「ぶっ」 突然の私の問いかけに吹き出して、さらに少し転びそうになるマキ。 何を大げさな...と少し冷めた目で見ながらも質問の答えを待つ。 「.............ぇよ」 「ん?何?」 「キスもしたことねぇよ」 「へっ...?」 1年以上付き合ってて。 健全な男子高校生であるはずのマキが。 あんな溺愛してる心乃にキスもしたことないなんて... 「ちょっとあんた、大丈夫...?」 「うるせーな、いろいろ理由があんだよ」 ふいっと顔を赤らめて私から顔を背けるマキ。 その横顔は、いつものただ不貞腐れてるだけのマキとは何か違って...
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