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「それで、マキくんを避けるようになって1年半くらいしたときかな...
中2の冬に、塾からの帰り道で男の人に襲われそうになったの」
「っ...」
もう過去の話だからと、なんでもないように言い捨てた心乃。
でも、その時の表情は何かを堪えるようで、彼女の中では今でも根強く残っている忌まわしい記憶なんだと思った。
「人気のないところに連れてかれて、服も破られていろんなとこ触られて...怖くて声も出せなくて、なんなら涙も出なくて。
もうだめだって、諦めかけたときにマキくんが助けてくれたの」
そんなドラマみたいな展開ないって諦めてた。
告白してくれても、私のことなんてもう忘れてると思ってた。
話してる内に思い出したのか、心乃の目尻に涙が溜まってるのが見えた。
でも私は、話を遮ることはできなかった。
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