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「男をボコボコにしてくれて、冬なのに上着を私に着せてくれて、家まで送ってくれた。
お兄ちゃんにだけ事情を説明してくれて、その日マキくんはすぐ帰ったの。お礼も言えなかった」
しばらくは、男が怖くて学校にも行けなかったと言う。
事件から二週間が経った頃、マキが突然来るまでは。
「学校行くぞって、突然迎えに来て...怖いからやだって言っても聞いてくれなかった。
なんかマキくん怒ってる感じで、お礼とか言える雰囲気じゃなくて、怖いって私の気持ちもわかってるはずなのにそんなこと言うから悲しくなってきて...大泣きした。
そこで気づいたの。事件の後に泣けてなかったってことに。
お兄ちゃんから聞いてて、私が泣きもせず、眠れもせず、ごはんもほとんど食べれなかった私を心配して泣かせてくれたの」
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