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―私はずっと不思議だった。
マキと心乃、ふたりは付き合っているけど色がついたような雰囲気を感じたことはなく。
それは3年になって私がふたりと一緒にいるようになってからも変わらず。
色はない。でも、マキが心乃を想っているとき感じた不思議な感覚は。
「大丈夫だよ、心乃」
「...?」
「マキはあんたのことをすごく大切に想ってる。いつも一緒にいる私が言うんだから、大丈夫だよ」
「...そっか」
安心したように、ふわりと微笑んだ心乃は女の私から見てもとても愛らしくて。
普段はそっけなくて面倒くさがりで、でもその中に儚さや脆さを抱えている心乃を、マキが見捨てるわけない。
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