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ふたりのやりとりを見て、教室に入る前に七海くんとどう接すればいいんだろうと悩んでいたことなんて、どこかへふっとんでいたことに気づいた。
頬の筋肉が緩むのが自分でわかる。
「ちょ、新美さんまで笑ってんじゃねーよ」
「ご、ごめん...なんか想像してたのと違って。心乃も七海くんのこと全然喋んないし、中途半端な知り合いでどうしようって思ってたんだけど...」
「え...?」
笑いを噛み殺しながら話すと、途中で顔を青くした七海くんが私の話を遮った。
「ん?」
「あ、あいつ、俺のこと新美さんに喋んないの?俺めっちゃ新美さん話聞くんだけど...大好きっつって」
「え、嘘!やだー心乃かわいい!私も大好き!うん、七海くんのことは一度も聞いたことないよ!」
目に見えて落ち込んでいく七海くんがおもしろい。
思わず調子に乗ってしまう。
そんなことで一喜一憂するくらい、この人心乃のこと大好きなんだ。
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