第1章

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数日後、佳菜子は都心の一流ホテルから3つ位ランクの落ちたホテルにいた。 『山本ボランティア会場』と安っぽい紙に印刷されたオーディション会場。 ホテルの小広間で行われ、悠用の机と椅子、受験者用の椅子数脚、そしてピアノが1台用意されていた。 佳菜子はオーディション番号5番。 後ろには3人しかいない。 残りの人は遅刻だろうか?と呑気な事を思うよりも、会場を間違えたと考える方が健全な位に誰もいなかった。 1番の人はピアノが弾けると言い、悠の前でその腕を披露した。 聞いた事ある曲だが、佳菜子にはタイトルが分からない。 1番の女性は長々とその曲を弾き、その後悠から2、3個の質問を受けて終了した。 2番は男性で、クラリネットを吹けると言った。 そして1番と同じ様にクラリネットを披露して質問を受けて終了した。 3番の女性の番の時には6番の女性があくびした。
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