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他のメンバーは、少なくとも半分以上は悠の名前に乗って売名しようとしていた様だ。
それに、自称でもプロの音楽家として活動していた彼らには、自分の音楽を無料で披露する事に抵抗があったのだ。
更に悠のいうスケジュールは、月に10日以上の縛りがある。
とてもじゃないが、自分が家族を支えている立場の人にはこなしきれない。
2番の男性はおもむろに手を上げた。
「山本さん、申し訳ありません。
山本さんの趣旨に賛同してここに来たのですが、私にはちょっと難しい様です。」
2番はペコリと頭を下げると、クラリネットを持って会場から出ていった。
2番の姿が見えなくなる頃、「私も……」と言って4番が立ち上がり、次々に立ち上った。
残されたのは佳菜子だけだ。
「えっと、私は……」
悠と佳菜子の2人だけになった部屋で、佳菜子は何と言って良いか分からなかった。
もちろん帰るつもりはない。
しかし、悲しげな悠にかける言葉が見付からなかったのだ。
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