第1章

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目の前に黄金色に輝く田園風景が広がる。 ほとんど見ることの無かった自然豊かな場所だ。 いつも降りる駅から電車で2時間。 教室の喧騒はどこへやら。 だれもいない駅で一人たたずむ。 人込みな中を生きてきたから、ずいぶんと新鮮な風景だ。 こんなのは見つけようと思えば、すぐに見つけられたのか。 「ふう、行くか」 エナメルバックを背負い直し、田んぼの真ん中にある農道を歩く。 コンクリートで舗装されていない分、少し歩きにくい。 それにしても、天高く馬肥ゆる秋とはよく言ったものだ。 空を見ていると、日常から解放されてどこまでも行ける気がする。
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