第1章

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「どこ行くんだい」 いきなり知らないお婆さんに声をかけられた。 田んぼ仕事の帰りだろうか。 軽トラの荷台には泥のついた農具が乗っている。 「こちらに親戚の家があるのでそこに」 「今日は平日なのに、学校はどうしたんだい?」 問いただすように、少しきつい言い方で聞いてくる。 「学校が創立記念日で休みなので」 もしもの時のために考えていた台詞を言う。 本当は仮病で休んだけど。 「そうかい。でも、ここら辺からだと遠いだろう。送ろうか?」 「いえ。早く来すぎたので、もう少し行った所で、向かいに来てもらえることになっています」
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