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この学園の運動会は初等部・中等部・高等部合同である為か、二人三脚や障害物競争、果ては騎馬戦まで全学年共通で。
流石に難易度は変わるものの危険はあるため、周囲の見回りを徹底し、危険を廃するのは基本。
其はやはり生徒会の仕事に回っているのですが…
「零さん、見回りがてら二人三脚の練習してこよう?」
「……は?」
我が初等部生徒会の会長である海さんが少々不可解な事を言い出した。
この人は普段の真面目さからは想像出来ないが、時々不思議なことを言い出す癖がありますから…。
「…………なぜですか?」
「いや、見回りの後すぐに二人三脚だから一緒にやった方が良いかなって思ったんですけど…」
「あぁ、はい分かりましたもう良いです、行きましょう。」
………まぁ別に良いでしょう。
彼は基本しっかりものですから、たまにはこう抜けた事を言って貰えないと心配になりま…
って、何で私が心配しなきゃならないんですか!
「……さん、零さん?」
「きゃ!?」
「うわっ!?ど、どうしたの?考えごと?」
「~~!な、何でもありません!ほら行きますよ!」
「うわ、ちょ、焦ったら転んじゃいますよ!」
慌てる彼を引っ張りながら私は見回りを始めたのでした。
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