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「は、はぁ? 見とれてなんかいねーし!」
ぼくは、木下照美から視線を外すと、小突かれた頭をさすりながら慌てて言い返した。
「まあまあ、そう強がるな。あの外見じゃ、見とれるのもわかるって。とてもじゃないけど、同じ小学6年生とは思えないよな」
中山が、下品な笑顔を浮かべる。お前こそ、そのにやけた顔は小学生には見えないぞ? どこのおっさんだ。
確かに、小学生とは思えないプロポーションは、中学生、いや高校生にだって負けていない、と思う。
でも、ぼくはそれを堂々と言えるようなタイプではなかった。
「だから見とれてなんかいねえって! どっちかっていうと、おれ、あいつ嫌いだもん」
勢い余って出た言葉は、一度出てくると止まらない。
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