ぼくのテルテル坊主

1/13
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ

ぼくのテルテル坊主

クラスのマドンナとか、クラスのアイドルとか、彼女のことを表すとしたら、そんな言葉がピッタリなんだろう。 容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。おまけに、家はお金持ちらしい。 木下照美は、クラスの男子女子関係なく、みんなの憧れの的だった。 午後の授業が始まる前の昼休み、ぼくは教室の隅の自分の席に座って、取り巻きに囲まれて笑っている木下照美をぼーっと眺めていた。 「おい、トモ! 何、木下に見とれてるんだよ?」 同じクラスの中山が、そう言いながらぼくの後頭部を軽く小突く。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!