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ぼくのテルテル坊主
クラスのマドンナとか、クラスのアイドルとか、彼女のことを表すとしたら、そんな言葉がピッタリなんだろう。
容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。おまけに、家はお金持ちらしい。
木下照美は、クラスの男子女子関係なく、みんなの憧れの的だった。
午後の授業が始まる前の昼休み、ぼくは教室の隅の自分の席に座って、取り巻きに囲まれて笑っている木下照美をぼーっと眺めていた。
「おい、トモ! 何、木下に見とれてるんだよ?」
同じクラスの中山が、そう言いながらぼくの後頭部を軽く小突く。
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