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16の時だった。
“ねえ、ミドリちゃん”
私と同じ顔の子が、私に聞いた。
“なあに?サキちゃん”
私は姉であるサキに、いきなり問い掛けられ、きょとんとした顔で見た。
“私達は、いつかそれぞれの道を歩いて行くのかな?”
私は少し考える仕草をする。
“ん~、どうなんだろね。私には分からないなあ”
私はサキを見て首を傾げた。
“サキちゃんは?”
その問いにサキは微笑みながら答えた。
“私達は、いつか何処かで、別々の道を歩むと私は思うわ”
サキは、笑うのをやめて、遠くを見ながら続けた。
“‥‥‥そして、その道が私達のお別れの道―――”
その時の私が見たサキの顔は
とても儚く
とても悲しい感じがした―――
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