†オモイ†

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食事が済んだ後、燐は用事があるからと出かけてしまった。 「‥‥‥ふぅ」 聞きたい事があったのに。 思わず溜め息が零れる。 「‥‥つまんないなぁ」 ゴロリと床に寝そべる。 暇だ。かなり暇だ。 かまってくれる人が誰もいない。 「む―――」 眠くもならない。なんて暇なんだろう。 そんな事を考えながらゴロゴロとしている時だった。 「‥‥‥ん?」 ふと、あるものが目に入った。 私は起きて本棚の方に近付くと一冊を手に取った。 アルバム 「‥‥‥」 真っ青な色の、金色の装飾と字が彫られてあるアルバム。 ぱら 私は何気なく捲った。 「‥‥‥」 その中には、燐の思い出がいっぱい詰まっていた。 すごく無邪気な顔をして笑っている燐。 でも、ほんの少しの哀しみの色をした目。 「‥‥‥」 ぱら 私は、燐のアルバムを少しづつ捲っていく。 「‥‥‥?」 ふと、燐の目線の先にあるものに気付いた。 ‥‥私? 写真の隅に私らしき人物が写っていた。 燐の目線の先にはすべて私が写っている。 これは一体、どういう事?
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