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お母さんが目に涙をいっぱい溜めて、本当の気持ちを話し始める。
「本当は、あの方が良い人だなんて…思ってませんでした。
でもっ!私にもしもの事があれば、沙耶はたった一人になってしまう!!
…それだけは、それだけは余りにも可愛そうで…!」
これが、お母さんの本心だったんだ…
小声作戦が通じなかった訳じゃない。
ただ、聞こえないフリをしていたんだ…
「でも、課長さんの様な素敵な方が、沙耶を愛してくださっているなんて、本当に安心しました!」
ーえっ!!?
「お母さん…あのね、違うの。」
「沙耶…幸せになって?課長さん、沙耶をよろしくお願いします。」
困った顔の課長に、丁寧に頭を下げるお母さん;
私は、ただジェスチャーで課長に手を合わせて“ごめんなさい”と伝える。
すると、課長は大きくため息を吐いて…
「お母さん、安心してください。僕たちはまだまだこれからですが、2人で力を合わせて行こうと思っています。」
「課長さん…」
本当に…課長ってカッコいいな…
こんなドキドキさせる事、平気で言えちゃうんだ。
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