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「沙耶、もう行きなさい。相手の方には私から謝っておくから。」
「お母さん…」
「沙耶、行こう。では、失礼します。」
「…は、はい。」
課長のリードに素直に従って後をついて行く…
車に乗せてもらい、私は課長に話しかける。
「課長…あの、すみません。」
「残念だったな。見合いがうまくいかなくて。」
「いや…正直、生理的に無理な方だったので、本当に助かりました。」
「ったく、本当に世話が焼ける。」
「でも、携帯を忘れてて良かったです。じゃなきゃ、逃げられなかったかもしれないから。」
「どうせ忘れるなら、ガラスの靴か何かにしとけよ。」
「あー、そんなキャラじゃないんで。」
「シラフの渡辺は確かにキャラじゃないな。」
「ひどいッ!!えっ、じゃ、シラフじゃなかったら?」
「あはは!さぁな。」
課長が優しく笑ってくれて、私の心はほんの少し軽くなった…
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