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「はい。でも、お母さんの中では課長が彼氏なんですけどね!」
「あー、そうだったな。忘れてた。」
「ちゃんと、少し落ち着いた頃に、お別れしたって言っておきます。」
「そうだな。それじゃ。」
「…はい、ありがとうございました。」
課長が帰ろうとしたまさにその瞬間…
―ピンポーン
来客を知らせるインターホン。
「ん?はーい。」
「すみません!○○引っ越しセンターの者です。」
「引っ越し…??」
急に“引っ越し”と言われて、驚いたのは私の方。
「渡辺。引っ越すのか?」
「いえ、全くそんな予定は有りませんけど。
でも、どうして突然?」
「…多分、どっか別の部屋の人と間違えたんだろ。」
「ああ~そっか!間違いですよね。」
「間違い……だよな;」
「だっ、だって私、引っ越し屋さんとか全然知りませんもん!」
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