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私は、あまり深く考える事なく、玄関を開けた。
「あの、間違いだと思います。私、引っ越しのお願いなんてしてませんから。」
「え?渡辺沙耶さんではありませんでしたか!?」
「渡辺…沙耶……は、私ですけど?」
「じゃ、間違いないですね。望月渉さまのお宅への引っ越しという事で承っております。」
「えぇぇぇぇぇ!!!???」
「はぁぁぁぁぁ!!???」
こんな事をする人は、ただ1人!!
私は携帯を手にして、すぐ電話を掛ける。
『もしもーし!』
「ちょっと、お母さん!!?引っ越しの人を呼んだの、お母さんでしょ!?」
『だって、あんな素敵な課長さんだから、側にいた方が良いと思って。』
「そんな勝手な事、しないでよ!!」
『でも、あなた達、付き合ってるんでしょ?』
「へっ…!?そ、そりゃ…そうだけど…」
『なら、問題ないわ!早く、既成事実でも作っちゃいなさい♪
早く孫の顔が見たいわ―☆』
「あのね、お母さんっ!?」
『それが嫌なら、またあの方とお見合いする?』
「えっ…;」
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