お見合い

18/21
前へ
/21ページ
次へ
私は、あまり深く考える事なく、玄関を開けた。 「あの、間違いだと思います。私、引っ越しのお願いなんてしてませんから。」 「え?渡辺沙耶さんではありませんでしたか!?」 「渡辺…沙耶……は、私ですけど?」 「じゃ、間違いないですね。望月渉さまのお宅への引っ越しという事で承っております。」 「えぇぇぇぇぇ!!!???」 「はぁぁぁぁぁ!!???」 こんな事をする人は、ただ1人!! 私は携帯を手にして、すぐ電話を掛ける。 『もしもーし!』 「ちょっと、お母さん!!?引っ越しの人を呼んだの、お母さんでしょ!?」 『だって、あんな素敵な課長さんだから、側にいた方が良いと思って。』 「そんな勝手な事、しないでよ!!」 『でも、あなた達、付き合ってるんでしょ?』 「へっ…!?そ、そりゃ…そうだけど…」 『なら、問題ないわ!早く、既成事実でも作っちゃいなさい♪ 早く孫の顔が見たいわ―☆』 「あのね、お母さんっ!?」 『それが嫌なら、またあの方とお見合いする?』 「えっ…;」 .
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加