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一緒に暮らすなら…隠しても仕方ないな。
「変に詮索されるのは好きじゃないから、言っておく。」
「…はい。」
「結婚するつもりだった…」
「えっ!?」
「東京から、ここに赴任が決まった時、彼女を連れて来るつもりだった…」
「え…」
「この部屋は、彼女が使う予定だった。
将来、子供が出来てもいい様に…4LDKもあるこのマンションを選んだんだ。
彼女は、このマンションを見て一目で気に入り、すぐに契約した。」
「でも…じゃ、何でッ!?」
「…彼女に、大きな仕事のチャンスが巡って来たんだ…」
「仕事…?」
「彼女が、ずっとやりたいと言い続けていた大きな仕事だ。
彼女は…仕事の夢を選んだ。」
「っ!!」
「だが、俺は後悔してない。だからっ…!!」
何気なく渡辺を見ると…
「課、ちょ…!」
目に涙をいっぱい溜めて、下唇を噛んでる渡辺。
その涙は…?
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