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「はぁ…」
会社の自室に着くと、俺は大きくため息を吐きうなだれる。
何でもうちょっと優しく声を掛けてやれないんだ…!?
…違う。
悪いのは俺じゃない!
渡辺が急にあんな事をっ…!
寝てる俺にキスをしたりするからだ…
―そう。
俺は気付いていた。
目を開けられなかった…
恥ずかしいのもあるが…
キスだけで、終わらせてやれるか自信が無かったのかもしれない
―コンコン
「失礼致します。課長…」
「はい。あっ…君は…」
マズイ。
昨日、断るのを忘れていた秘書課の社員だ。
「なぜ…帰ってしまわれたんですか?」
“なぜ”って…
断るのを忘れていたんだ。とは言えない俺。
「悪かった。何も言わずに帰ってしまって。」
「埋め合わせ、ちゃんとして頂けますよね?」
「埋め合わせ…?」
「昨夜のドタキャンを今夜こそ…」
俺の視線の先に割って入り込み、胸元のボタンを勝手に外し始める。
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