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―コンコン
「失礼致します、課長。部長がお呼びです。」
「ああ。分かった。すぐに行く。」
「宜しくお願い致します。」
妄想の世界から現実に引き戻される。
急いで部屋を出ると、向こうの柱の影から視線を感じる…
ん…?
あの人影は、もしかして…
「渡辺…?」
「ヒッ!!」
変な声で返事する渡辺。
「何だ、今度はストーカーか!?」
「ち、違いますっ!」
「はいはい。
それで?何か用があったんだろ。」
「あ、あのっ…えっと……」
「ん?」
「きっ、聞きたい…事が…!!」
耳まで赤くして、俺と目を合わせようとしない。
どんな恥ずかしい質問をして来るつもりなんだ?
「何だ、言ってみろ。
今、部長に呼ばれてるから早くっ…」
「あのっ!
すっ、好きな食べ物は何ですか!!!!!」
「…………はい?」
思いもよらない質問に、思わず聞き返す。
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