三日月の夜の約束

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ねぇ、神様。 これは…何の罰でしょうか? 私は、誰かを好きになっちゃいけなかったのかな…? 私は、今朝の更衣室での会話を思い出していた。 ―――――――――― 「ねぇ、昨夜はどうだったの? 課長とついに…?」 「えっ。」 「何?またフラれたの?」 「いいえ、まさかっ!も、もう最高よ! 朝まで、何回も求められちゃって…腰が砕けそうだわ。」 「キャー!!課長って、やっぱり夜に強いのね?」 「あの胸板がたまらないの…ああ~また抱かれたい… 今度はいつ会ってくれるかしら~」 ――――――――――― ―バタン 私はその場に倒れ込んだ。 もう…限界だった。 涙も止められず、作り笑顔も出来ない。 こんなんじゃ、課長に最後の挨拶なんて出来ないよ… “体調不良”という事にしてもらい、会社を後にした。 課長の顔を見る前に、遠くに行きたい… でも、私が行く場所なんて何処にもない。 .
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