三日月の夜の約束

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気がついたら、私は携帯である人に電話をかけていた… 「もしもし、沙耶?」 「……お母さんっ!」 やっと、名前を呼べたかと思ったら、涙が滝のように溢れて 何も話せず、ただ泣き続けた… 「…沙耶。美味しいお菓子を頂いたんだけど、1人じゃ食べきれなくて困ってるのよ。 だから…帰っておいで?一緒に食べましょう?」 「…うん…」 “帰っておいで” きっと、そう言って欲しかった。 その言葉を待っていた。 私は、足早に駅に向かう。 ―プルル プルル そんな時に掛かってきた電話。 誰だろう… 知らない番号だ。 「…はい、もしもし。」 「渡辺、俺だっ!」 「…えっ、課長…どうして?」 「切るなよ。ちゃんと聞け。」 嘘でしょ…? 何で?あの人と朝まで一緒に居たんでしょ!? どうして私にも優しくするんですか…? .
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