15人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
気がついたら、私は携帯である人に電話をかけていた…
「もしもし、沙耶?」
「……お母さんっ!」
やっと、名前を呼べたかと思ったら、涙が滝のように溢れて
何も話せず、ただ泣き続けた…
「…沙耶。美味しいお菓子を頂いたんだけど、1人じゃ食べきれなくて困ってるのよ。
だから…帰っておいで?一緒に食べましょう?」
「…うん…」
“帰っておいで”
きっと、そう言って欲しかった。
その言葉を待っていた。
私は、足早に駅に向かう。
―プルル プルル
そんな時に掛かってきた電話。
誰だろう…
知らない番号だ。
「…はい、もしもし。」
「渡辺、俺だっ!」
「…えっ、課長…どうして?」
「切るなよ。ちゃんと聞け。」
嘘でしょ…?
何で?あの人と朝まで一緒に居たんでしょ!?
どうして私にも優しくするんですか…?
.
最初のコメントを投稿しよう!