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「沙耶っ!!」
真っ先に入ったのは、七尾だった。
「麻美…」
扉の向こうから、沙耶の声が聞こえた…
続いて、藤井が入って行く。
「沙耶ちゃん?」
「藤井さん…?どうして……?」
「心配したんだよ…本当に。」
藤井の低い声が沙耶に向けられる。
そして…俺も、深呼吸をして部屋に入った。
ベットに横になったままの状態で、微かに笑みを浮かべてる沙耶がそこに居た…
「沙耶…」
そう囁く。
だが、沙耶は俺をジーッと見つめるだけで、何も答えない…
怒ってるのか…?
でも、表情に怒っている素振りが無い…
「沙耶…目が覚めたのか。
良かった…」
さらに話しかけるが、それでも返事はない。
「麻美…」
そして、七尾の手をギュッと握った。
「沙耶…?どうした…?」
七尾も、沙耶の不思議な行動にそう声を掛ける…
そして、俺は聞いてしまったんだ。
何より愛しい、沙耶から…
「あの……どなたですか?」
嘘だと信じたい言葉を…
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