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「沙耶は見つかりましたか!?」
「それが…まだ…」
「わかりました。探しに行ってきます。」
「そろそろ、雪が降る予報です。
地面が凍って大変危険です。どうか、お気を付けください…!!」
「はい。」
「1人で行かれるには危険ですので、当館の番頭が一緒に参ります。」
「よろしくお願い致します。」
番頭さんが俺の前に現れ、深々と頭を下げる。
70才を過ぎてる気がするが…大丈夫なのか?
「望月様。この辺りの山は、知り尽くしておりますので、ご安心くださいませ。」
俺の不安を見抜いた様な一言。
「…はい。よろしくお願いします。」
俺と番頭さんは、懐中電灯を片手に散歩コースを中心に探すことにする。
「沙耶ー!!」
「渡辺様ー!」
名前を呼びながら歩き、沙耶からの返答を待つ。
冷たい風が容赦なく俺たちに吹き付ける…
こんな寒さの中、沙耶は1人でいるのか…!?
「沙耶ー!!返事をしてくれっ!」
「渡辺様ー!!」
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