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懐中電灯で、注意深く辺りを見渡す。
―ピカッ
再び光った。
どうやら、雪の中の様だ。
俺は、冷たい雪を掻き分けて光りの理由を探す。
―コツン
「ん…?」
何か、固いものの感覚。
それを掴み、懐中電灯で照らす。
これは…
「携帯!しかも、沙耶の物だ!!」
「望月様ー!分かりましたかな?」
「はい。彼女の携帯でした!!」
「何ですと!?」
パッと画面を確認すると、雪の水分で壊れているらしく、真っ暗な画面に時折照明がつき、光っている様に見えたんだ。
間違いない。
沙耶はこの山のどこかにいる!!
「沙耶ーっ!ん…?」
崖の下を懐中電灯で照らすと、草履らしきものがあった…
「もしかしたら、沙耶の…?」
「望月様、いかがなされました?」
番頭さんが心配して声をかける。
「あの、この下に草履みたいなものがある気がするんです。」
「何ですと!?」
慌てて番頭さんは、俺のいる場所まで降りてきてくれた。
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