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ったく…
これから沙耶と初めての旅行に行こうと思った矢先
まさか高梨社長から電話が鳴るなんて。
何てタイミングが悪いんだ!?
まぁ、いい。
さっさと片付けよう。
11時までには終わらせて帰ると、沙耶に約束をして家を出た。
アクセルにいつも以上の力が入る。
とにかく、急がないと!
「しかし、旅館には無理を言ったかな…
でも、あの部屋が取れて良かった…」
旅館をホームページから予約する際、コメント欄にわがままを書いたんだ。
“お願いがあります。
旅本の4月号に載っていた、あの部屋に泊まらせて欲しい。
いつも淋しい思いをさせている彼女との初めての旅行。
この機会に、いつもの感謝を伝えて、思い切り幸せに浸って欲しいんです。”
ってな。
ちょっとキザだったか…?
会社に到着した俺は、不自然な後ろ姿を発見した。
「ん?慎吾…?」
高梨社長の会社から出て来た気がした…
いやいや、人違いだよな。
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