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「ほらっ!あそこです!!」
俺は、草履らしき物がある場所を指さす。
「っ!…急がなくては。下に降りましょう。」
「はい。」
番頭さんは、道無き道を進んで行く。
崖の下まで連れて行ってくれるらしいが…道が険しい。
この道を、沙耶が降りていったと考えるには無理がある。
沙耶は…転落した!?
雪が降りしきる中、俺は番頭さんにひたすら付いて行く。
「望月様、もうすぐです!」
「はい!」
沙耶…1人で心細いはず。
怪我でもしてるんじゃないか…!?
そう考え始めたら、居ても立ってもいられない…!!
「望月様!!あれは…!」
「っ!!沙耶っ!!!!!!」
そこには、横たわる沙耶の姿があった。
外傷が何カ所かある様だ。
「沙耶!しっかりしろ!!」
「渡辺様ー!!」
俺は、沙耶を思い切り抱き締める。
冷たい…
冷え切ってるその身体に自分のコートを掛けてさすり、温める。
「沙耶!沙耶!!」
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