毒リンゴ

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「沙耶…?沙耶っ!!大丈夫だ。もう大丈夫だからな! 頑張れよ!!」 車に乗り込み、沙耶の手をギュッと握る。 「沙耶…」 そして、握った手を温める様に名前を呼び、息を吐き続けた。 病院は、車で20分の所にあった。 旅館の人が、連絡を入れてくれていた様で、スムーズに受け入れて貰えた。 「望月様。まずは検査をする様です。 しばらく、待合室で待つようにと言われました。」 「そうですか。分かりました。」 俺は、待合室で沙耶を待った。 しばらくすると、病院の入り口のドアが開く。 「課長!」 声の方を見るとそこには… 「七尾、藤井…」 「課長!沙耶は…!?」 七尾の表情は、沙耶を心配する眼差しだったが、藤井は違った… 「…どういう事か、説明してください。」 俺への憎しみにも取れる視線だった。 「俺は彼女と、真剣に付き合ってる。 だが…俺の友人が沙耶に嫌がらせをしたせいで、彼女は1人でここに…」 「藤井さん、違うんです。その原因を作ったの、課長じゃない!私なのっ!」 .
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