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「何故だ!?」
「本当の事が知りたいんです!!」
「本当の事…?」
「はい。みんな、何かを隠してる…
私…何も覚えいないのに、それは分かっちゃうんです。」
みんなが隠してる事…?
「そうか、分かった。
だが、病院に連絡くらいは…」
「ダメなんです!!
私…聞いちゃったんです。
藤井さんが看護士さんに、私が何か言ったら、すぐに藤井さんに連絡するように言ってるのを…」
「そうだったのか…」
「藤井さんが来たら、また何が本当なのかが分からなくなるから…」
「だが、なぜこの旅館に…?」
「……………」
急に、俺の目をジッと見つめて、黙り込む沙耶。
「どうかしたか?」
俺がそう声を掛けると、沙耶は左手で自分の胸元をギュッと握った。
「……分かんないんです…」
「分からない…?」
「課長さんだけなんです…」
「えっ?」
「私の胸がドキドキするの…課長さんだけなんです!!
どうしてなのか…分かんないんです…!」
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