譲れない大切な人

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何も“特別”な所ではない、ただの散歩道… 私、この道を歩くの…初めてじゃない気がする。 寒い…外は寒い。 太陽が身を隠し、雪が降り始める… 「本当に寒いな…」 シンシンと振り続ける雪を避ける事もせず、 私は何となく見たことのある光景の道をひたすら歩いた。 かじかむ手… 「ん…?あそこかもしれない。」 やっと見えて来た1件の旅館。 初めて見るハズなのに、どことなく懐かしささえ感じる。 無意識に歩くスピードが速くなる。 早く、行かなくちゃ! 知りたい…! 何があったのか、誰と来てたのか。 課長さんをみると、どうしてあんなにドキドキするのか…! すると、旅館の前の広場に人影… 男の…人…? すると突然、その人が走って私に向かって来た。 「えっ、何なのっ!?」 何か…怖い!! 「沙耶っ!!!!!!」 そんな恐怖心を一瞬で吹き飛ばしてくれた、私を呼ぶ暖かい声… 「えっ…」 .
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