譲れない大切な人

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―ドクン  名前を呼ばれただけなのに、胸が熱くなる… 「沙耶っ!!何で、こんな所にいるんだ!?」 「えっ…か、課長さん!? 何でここにいるんですか!? ってか、見つかっちゃいましたね。」 知ってる人に会うはずはないと思って来たのに、 よりによって課長さんに会っちゃうなんて… 「見つかったって…!? 病院にはちゃんと言ってあるのか!?」 「えへへ。それが、言って無いんです。」 「なっ…!!みんなが心配するだろう!?俺から連絡するか。」 「いいえ!!大丈夫です。」 「何故だ!?」 「本当の事が知りたいんです!!」 「本当の事…?」 「はい、みんな、何かを隠してる… 私…何も覚えていないのに、それは分かっちゃうんです。」 みんなが、課長と私の“何か”を隠してる… その理由が知りたい、とはまだ言えなかった。 「そうか、分かった。 だが、病院に連絡くらいは…」 「ダメなんです!! 私…聞いちゃったんです。 藤井さんが看護師さんに、私が何か言ったら、すぐに藤井さんに連絡するようにって言ってるのを…」 .
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