雪 月 花

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沙耶は、沙耶だけは、絶対に譲るわけにはいかないんだ…!! ―ピロン 「ん…?」 メールだ。 【差出人:皆本明日香 内容:相変わらず、電話が繋がらないから、メールを送るわ。 私…東京に帰る。あの部屋も、クリスマスまでには、出て行く… 色々、迷惑をかけてごめんなさい… あなたへの愛に偽りは無かった。 ただ、あなたを愛してた…誰にも奪われたくなかったの。 本当にごめんなさい… 最後に、2人で会いたい。     明日香】 明日香に、何度も部屋を出て行けと行っても、俺の言うことを聞く気が無かった。 不本意ではあったが、一緒にいるよりはまだマシだと、俺はホテル住まいを続けていた。 だが…明日香が、手を引く…? しかも、こんなにアッサリ? 俺は、正直もう明日香を信じられない。 愛していた過去さえ恨んだくらいだ… そのメールに返信する事も無く、会うつもりも無かった… ――――――――――― 「…もう、こんな時間か…」 時計を見ると、夜の7時を過ぎてる… 定時はとっくに過ぎているから、居るはずはないのに… やっぱり沙耶が気になって仕方ない… .
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