聖なる夜に

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私たちは、キツく抱きしめ合い、唇を求めた… その瞬間… 「ん…?あ…」 異変に気付いた渉さんが唇を離し、空を仰ぐ。 そんな渉さんに気付いた私も空を見上げた…すると。 「うわぁー!雪だ!!」 私たちを祝福する様に降り始めた雪… 「神様からのプレゼントかもな。 ホワイトクリスマス…しかも、月も出てる。」 「本当だ。でも…月は、半分ですね。」 「半月。俺たちも、あの状態なのかもしれないな。」 「え…?」 「俺たちも、半分なんだ。一緒に居ることで、満たされる…満月になれるんだ。 俺たちが出会った時に見た…あの満月の様に。」 「渉さん… はい。…そうですね。」 「沙耶。歩こう?」 渉さんは私に手を差し伸べて、優しく笑った。 「はい!」 私たちは、手を繋いで一緒に歩き出した。 一歩、一歩。 この一歩は私たちの未来を作る一歩 この一歩は幸せへの一歩 この一歩は永遠への一歩。 .
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