聖なる夜に

2/36
前へ
/36ページ
次へ
「沙耶?入るよ?」 病院で検査を受けた私は、病室のベッドに横になっていた。 「うん、大丈夫だよ。」 ―ガラガラ 「気分はどう?」 扉が開くと、私を心配そうに見つめる麻美が居た。 「そんな顔しないでよ。本当に平気なんだから。」 「うん…」 頷いたまま、視線を上げない麻美。 きっと、まだ気にしてるんだろうな… 明日香さんに言われたあの事… そう思ったから、敢えて私から言葉にした。 「30万。」 「えっ!?」 「30万円。貰っとけば良かったのに。」 「沙耶っ…」 「そしたら、2人で一緒に旅行に行って、美味しいものをたくさん食べられたのに。」 「…っ!…ごめん。 沙耶…ごめんね…!!」 麻美は、横になってる私の胸に顔をうずめて泣いた… 「大丈夫。全然、気にしてない… だって、私たち親友でしょ? 今までも、これからも、ずっと親友でいたいもん…」 「でも、私が皆本さんに沙耶の事を話さなかったら、沙耶が記憶を無くす事もきっと無かった…!! 私が話しちゃったから…だから全部、私のせい…!」 .
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加