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「沙耶?入るよ?」
病院で検査を受けた私は、病室のベッドに横になっていた。
「うん、大丈夫だよ。」
―ガラガラ
「気分はどう?」
扉が開くと、私を心配そうに見つめる麻美が居た。
「そんな顔しないでよ。本当に平気なんだから。」
「うん…」
頷いたまま、視線を上げない麻美。
きっと、まだ気にしてるんだろうな…
明日香さんに言われたあの事…
そう思ったから、敢えて私から言葉にした。
「30万。」
「えっ!?」
「30万円。貰っとけば良かったのに。」
「沙耶っ…」
「そしたら、2人で一緒に旅行に行って、美味しいものをたくさん食べられたのに。」
「…っ!…ごめん。
沙耶…ごめんね…!!」
麻美は、横になってる私の胸に顔をうずめて泣いた…
「大丈夫。全然、気にしてない…
だって、私たち親友でしょ?
今までも、これからも、ずっと親友でいたいもん…」
「でも、私が皆本さんに沙耶の事を話さなかったら、沙耶が記憶を無くす事もきっと無かった…!!
私が話しちゃったから…だから全部、私のせい…!」
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