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「彼女の俺への信頼を、ほんの少しでも裏切る事の無い様に、
俺は、有言実行を守っていく事が使命だと思ってます。」
「あの、新郎さま?どうすれば、そんな風に思い合えるんですか?」
「どうすれば…?それは難しいですね。
人それぞれでしょうが、俺たちは自分たちの“運命”を信じられるからです。」
「運命…」
「俺は、沙耶しか愛せないし
沙耶にも、俺しかいない。だから、誰よりも大切にしたいと思うんです。
当たり前のことですが、なかなか出来ないものですよね。」
「羨ましいですわ…お二人が。新婦さまはロビーにいらっしゃいます。
さぁ、行ってください。そして、どうぞ末永く…お幸せに…」
「どうも。それじゃ、“妻”が待ってますので、これで失礼します。」
俺は、頭を下げて沙耶の元へと走り出す。
言われた通り、ロビーには純白のドレスを身に纏った沙耶の後ろ姿が見えた。
「沙耶…」
そう呼びかけると、沙耶はゆっくり振り向いた。
「渉さん…お疲れさまでした。
お仕事は大丈夫?」
「ああ…。」
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