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その人たちへの感謝の意味も込めて、幸せになろう…
「おいで…沙耶。」
メインテーブルに着くと、段を上がる為に振り返り、手を差し伸べる。
「はいっ!」
とびきりの笑顔で、俺の手を取った。
沙耶が、俺を信じる事を忘れないでいてくれた事だけが救いだ…
「ありがとう…」
「ん…?」
一瞬、不思議な顔をした沙耶に笑顔を向けた。
「ふふっ、渉さんってば、変なの。
緊張してるでしょ?」
「…かもな。」
そんな俺を見て笑う沙耶…
…適わない。
誰も、何も…適わない。
この笑顔以上に大切に思えるものなんか無い…
100年先もこうしていよう…
俺たちなら、叶えられる。
満月に引き寄せられた、
運命の2人だから…
―――――――――――
「はぁ…、沙耶ちゃん可愛かったな…。
完全に諦めなきゃ…」
俺は、結婚式の二次会の帰り道、フラフラになりながら人通りの少ない夜道を歩いていた。
「ん?」
道の向こうから、人が走って来てる気がする…
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