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「ん?…女の人?」
人影が近付くにつれて、女性である事はわかった。
そして、その女性は明らかに何かから逃げている様に見える…
「あ、あのっ!た…助けてくださいっ!!」
「えっ?」
俺にそう言って腕にしがみ付いて来た女の人…
部屋着だ…
明らかに部屋着なのに、なぜこんな所に!?
「あのっ、つ、月が綺麗だなって、お…思って、外に出たら、へっ、変な人が居てっ…!!」
俺は、何も声に出してはいないのに、そう理由を話し始めた彼女。
心の声が、伝わったのかな…?
「家はどこ?送って行くよ。」
「あ…ありがとう、ございます…!」
周りを警戒しながらしばらく歩いたが、何も変わった様子はない…
ふと、空を見上げると満月が輝いていた…
「本当にキレイな月だな…」
「っ…すみません!家、ここなんです。」
俺が満月を眺めると、彼女は真っ赤な顔をして下を向いた…
「そう。なら良かった…それじゃ、気を付けて。」
「あのっ!…お名前を教えて頂けませんか…!」
名前…?
まぁ、隠す必要もないか…
「…藤井和馬。」
「藤井、和馬…さん。
ありがとうございました!」
俺は、この時はまだ知らずにいた…
満月に引き寄せられた、名前も知らない彼女との未来を…
=完=
この物語の続きは…
あなたに微熱(仮)[link:novel_view?w=21963952]
でお楽しみください☆
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