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ーーなんか、見てるな…ーー
15分後、芹沢は隣からの視線に戸惑っていた。
間宮を待つためと言って、柾木は芹沢の隣の、図書当番用の椅子に座った。
なぜ隣なのかという疑問が浮かばなくもないが、まあ、そこはいい。
問題は彼が芹沢をじーっと見ている事だ。すぐ隣にいるので嫌でもわかる。
これでは読んでる本に集中できない。
たまりかねて、芹沢は本を閉じた。
「あの、どうかしましたか?」
柾木を見ると、どうやら彼は芹沢の手もとの本を見ていたらしい。
「ん?別に……。ただ、女の子と一緒にいてお喋りしないのって初めてだから。その本ってそんなに面白い?」
これは遠回しに、喋れと言われているのだろうか?
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