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「本当の事ですから」
「じゃあ、本の虫、とか活字中毒、って呼ばれても平気なんだ?」
「はい」
変わってるな、とさらに笑われる。不思議と馬鹿にされている気にならない。柾木の言葉に棘がないからだろうか。
「それで、その本はそんなに面白くはないんだ?」
「はい。この作者のはあまり…でも、なんというか、最後まで夢中で読んじゃうんです。気づいたら夢中でページを捲ってて……きっとこういうのも、文章力って言うんでしょうね」
「ふーん。不思議だな」
彼の相槌で、芹沢は我に返った。
「あっ、すみません。こんな話面白くないですよね」
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