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――ガラッ
図書館の出入口が開いた。
入ってきた男子生徒は、短く刈り込んだ髪に黒縁メガネ、180近い長身……間宮徹その人だった。
「よっ!」
柾木が右手を上げて挨拶しても一瞥するだけで、間宮は帰り支度を始めた。
「おい間宮。当番サボるなよ。芹沢さんが可哀想だろ…無視するなって」
「…面倒くさい」
間宮はあまりはっきりとは喋らない。そもそもそんなに話したことがないので、芹沢にとってはよくわからない人だった。
「面倒くさいって、ちゃんとやってる芹沢さんに失礼だろ」
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